Sample Club

2015年10月01日

2015年 青年白書(抜粋)

青年白書とは
 公益社団法人日本ユネスコ協会連盟の構成団体会員のひとつである、青年ネットワーク組織『全国的青年連絡組織』(以下、 同組織)の「各地ユネスコ協会で活動する青年をつなぐ情報の収集と発信(同組織規約第4条第1項第1号規程)」にあたる事 業。2014年3月に開催された、第4回青年総会にて全会一致で可決に至った。
 本書の発行目的は、青年ユネスコ運動全般および同組織の広報をすることで、青年ユネスコ運動を広く理解してもらうことである。
 更に、本書を内外の方々に手に取ってもらい、同組織の理解はさることながら、青年読者がユネスコ運動に興味を持ち、活動 に参加し、近隣協会に加入するという流れが生まれることを期待している。


 この頃何かで集まると、太平洋戦争を経験している世代と経験し ていない世代で、ものの考え方に大きな落差がある事に気付くこと が多い。私は昭和11年生まれであり終戦は小学4年の時であった。 父は戦争に行き、子どもが親を助けて、生活の中心だった。終戦と なって、環境だけでなくそれまで教えられたことが基本からひっく り返った。例えば、漢字は本漢字は使うなと言われ、略字が中心と なった。かな使いも大きく変わった。教科書の多くの頁をスミで塗 りつぶした。何が正しいのか、なにが真実なのか、良く理解できな いまま大人になったといっても良いと思う。
 戦争は嫌だ。人を殺しあうことに正義はないという思いの中でユ ネスコ活動に出合い参加した。当時の仲間は教育、科学、文化を通 じて 「平和」 な社会を実現しようというユネスコの主義にひかれ、 そのことに人生の全てを捧げても悔いはないという情熟を湧き立た せた。
 時代は変わっても教育を通じて、平和を実現しようという活動は 新鮮さを失っていない。
 私たちの先輩は東南アジアの数か国に対して 「寺子屋」 活動を通 じて教育の普及を回り平和を実現しようとしてきた。極めて貴重な 世界に誇るべき活動である。基礎教育の充実した日本でないと出来 ない活動である。
 ところで、日本の現実は本当にそうなのか。最近あらゆる面で教 育制度、内容の改善が求められている。いわゆる教育の 「空洞化」 である。小、中学校で学校に行かない子どもが年々増えていること が指摘されている。しかも充実した内容を身につけさせる努力と工 夫が欠けているといわれている。どの学校を卒業したかとか、どの レベルの資格を持っているかが大切なのではない。寺子屋活動とと もに、その活動をするに値する充実した内容を身につける努力が今 日の日本人に必要なことである。
「青年自書発行にあたって」
 この度、 「青年白書2015」 を皆様のお手元にお届けできること を嬉しく思います。本書は全国的青年連絡組織 (以下、全青連) なら びに青年ユネスコ活動の全体像を広く知っていただくために生まれま した。本書によって、初めて全青連を知る方もいらっしゃるかと思い ます。
 全青連は日本ユネスコ協会連盟の定款において規定され、2010 年に設立されました。ユネスコ協会や都道府県ユネスコ連絡協議会と 同様に日本ユネスコ協会連盟の構成団体会員であり、全国のユネスコ 協会に所属する15歳から35歳までの全ての青年がこの組織の会員です。
 全国には様々な青年がいます。ユネスコの活動が多岐にわたるよう に、 「青年」 とひとくくりにはできないほど、それぞれの個性や興味、 学業や仕事で専門とする事柄は多様です。私はこの4月から全青連の 3代目の会長として青年最後の2年を過ごすことになり、多様な 「青 年」 を束ねることが自分にできるのだろうかというプレッシャーを感 じています。その一方で、全青連はこれまでも、多様なものは多様な まま受け入れ、認め、磨き合い、さらに新しい力をうみだす、青年ユ ネスコを包み込むような組織であったし、これからもそうあり続ける べきだと思います。その包容力や寛容性は、育年ユネスコの、ユネス コ運動そのものの、ユニークな魅力であると私は信じます。
 近年、青年ユネスコ活動は活発になったとも言われますが、それで もなお、青年ユネスコには多くの課題があります。例えば、現在も名 簿上は18の府県には青年会員がいない状態です。全青連は、全国に広 がるネットワークを活かし、ユネスコスクールや高校ユネスコ部、大 学ユネスコクラブとも積極的につながることで、課題に取り組んでい きたいと考えています。
 私がユネスコ運動に関わりだしてから早いもので15年近く経とうと していますが、青年ユネスコは日々変化しています。本書によって、 流れの速い 「青年ユネスコの今」 を知っていただき、それが全国各地 のユネスコ運動の活性化につながれば望外の喜びです。
 最後になりましたが、日頃の青年ユネスコ活動へのご理解、ご協力 に感謝申し上げます。今後も引き続き青年ユネスコ活動の発展にお力 添えを賜りますようお願いいたします。

2014年第46回ユネスコ子どもキャンプ


 2014年8月6日(水)~ 9日(土)にかけて、第46回ユネスコ子どもキャンプが 岐阜県にて開催されました。子ども46人、スタッフ延べ53人、看護師3人、実行委員10人、 計112人による3泊4日の野外生活をしました。
 テーマは「いつ歩~知らない自分み~つけた!~」。これはいつでも最初の「いっ歩」 は踏み出せるということ、前でも後ろでも、それも大事な「いっ歩」だということを子ど もに伝えたいという思いが込められています。「いつでも」「一歩」で「いっ歩」です。
 特に今回らしいプログラムは、ハイキングをしながら様々なミッションを乗り越え、自 分たちだけの食材を手に入れ、自分たちで考え料理をする「おれごはん」、岐阜の文化を 学べる「紙すき」「郷土料理づくり」でした。キャンプ中は、巨大な台風に見舞われ途中で 帰宅せざるを得ないスタッフも出ましたが、キャンプ場の職員の方々や、親御さんのご協 力のもと、4日間だれも大きな怪我や事故もなく過ごすことができました。
 この4日間で、次第に内気だった子どもが元気よく同じ班の子たちと笑いあう姿や、人 前で大きな声で発表する姿、進んで料理や片づけをしていく姿は、この短いキャンプ生活 の中でも着実に大きな「いっ歩」が様々なところで起こっているように感じました。子ど もたちが野外生活を通じて、自然と触れ合い、人と向き合い、ただの学習ではなく体験とし て自然や人と向き合うことができ、持続可能な社会への「いつ歩」を踏み出せたように感 じます。
 参加した子どもからは「また来年もキャンプをしたい」「スタッフのお兄さんやお姉さ んのようにユネスコをやりたい」などの声が生まれ、今後のユネスコ運動に繋がる大きな きっかけとなりました。また、キャンプファイヤーで仲間との繋がりや、テント生活で親 元を群れ過ごし、あらためて家族や友達について考える機会となりました。それにより、 自分自身にも向き合い、「知らない自分」の発見や、なりたい自分を描くきっかけにもな りました。

第46回ユネスコ子どもキャンプ実行委員長より


 わたしも、あなたも、またそれを取り巻く環境も、見方を変えればまた違う世界がある と思います。その見方のひとつでささいな争いや、いざこざは無くなるように感じます。
 ユネスコ子どもキャンプや、テーマである「いっ歩」は、子どもにとって、これからの 長い人生のあくまでも一つのきっかけなのかもしれません。しかし、この4日間がひょっ としたら、いつかその長い人生でのなくてはならないものになっているかもしれません。
 このキャンプを通じて、これからの家庭で学校で、また「いつ歩ずつ」胸を張って歩ん でくれることを願っています。それが何よりの平和への「いつ歩」であると信じています
(実行委員長・岐阜県ユネスコ協会 石川航)

第47回ユネスコ子ともキャンプ


 2015年は戦後70周年、UNESCO設立70周年の筋目の年。キャンプを通じて自分が思う Peace(平和)と仲間のピースをパズルのように、組み合わせてユネスコの掲げる Peaceを一緒に広げられるキャンプを目指します。

■テーマ 『心のピース -感じて、つなげて- 』
■日 程  2015年8月2日(日)~ 5日(水)
■会 場  千葉県立内浦山県民の森
■対 象  小学4年生~中学3年生 計100人 指導者・スタッフ約50人
■費 用  1万5000円
■主 催  千葉県ユネスコ協会連絡協議会 公益社団法人日本ユネスコ協会連盟
■後 援(予定)文部科学省、日本ユネスコ国内委員会、千葉県、千葉県教育委員会、鴨川市、鴨川市教育委員会、千葉日報社

優秀賞


公益社団法人 仙台ユネスコ協会青年部


 わたしたち公益社団法人仙台ユネスコ協会青年部は、今年度から「学生部」か ら「青年部」へと名前を変え、仙台の大学生を中心として幅広い年齢の人が活動 しております。部員は約15名、毎月2回仙台ユネスコ会館にて定期ミーティング を行っております。

2014年度の活動内容

8月 七夕事業
9月 ピースデー・映画上映
10月 UxU塾 キャンプ事前研修会
11月 東北大学祭・ワークショップ
12月 留学生交流会

七夕事業

 「仙台七夕まつり」の時期に、県内の協会が協力して学校で短冊や折り鶴を作り、 七夕飾りとして飾りました。期間内には短冊を書くワークショップも開催しました。

ピースデー・映画上映

 9月21日は国際平和デー。松山・大阪・信州と協力し、場所は違えども共同で行 いました。学生部を筆頭に上映会に来てくださった方々に、平和を考える機会や 行動する勇気を与えたいと願い企画しました。学生部のイベントに対する強い気 持ちがあった反面、急遽行ったために宣伝や準備が不十分で参加者は少なく、反 省も多いイベントとなりました。

留学生交流会

 3年前から続く学生部の中心的なイベントです。仙台市内の日本人と留学生総勢 60名で日本の正月文化を体験します。約15カ国の方が参加してくださいました。
 仙台ユネスコ協会青年部は「発信」することを心がけております!「そんな団 体あるの?」「なにをしているのかわからない」と言われることが多いのがユネ スコ活動だと思います。そこで、多くの人に私たちの活動を知ってもらいたい! という気持ちを込めて、ミーティングやイベントのたびに Facebookページを更新 しております。みなさんもよろしければ見てください!

2015年度の活動予定

 私たちの活動は、一般の方を対象とした参加型イベントが多いですが、全国の 青年のみなさんの参加もお待ちしております。特に子どもキャンプなどは未経験 スタッフばかりですので、みなさまの経験と元気をお貸しください!宮城へ来て ぜひご参加ください
4月 お花見
8月 第1回宮城ユネスコ子どもキャンプ
9月 神戸ユネスコ協会と合同企画 被災地スタディツアー&ピースデーイベント
12月 留学生交流会


新人賞


長野ユネスコ協会青年部「つなっぷる」


 私たち「長野ユネスコ協会青年部 つなつぶる」は昨年5月に発足しました。 「何か面白いことがやりたい」「もっといろいろなことが知りたい」漠然とした、 しかし私たちなりの熱い想いをもって活動がスタートしました。

 いくつかの企画を開催する中でも、その後の活動のテーマになるものとの出会 いがあります。それは、岡山で行われた「ESD推進のための公民館CLC国際会議」に 出席したことです。会場は世界各国からCLCを実践する人々が集まり、熱い議論が 交わされました。CLC は Community Learing Center の略でユネスコの寺子屋が それに当てはまります。海外におけるCLCの役割は識字教育や学校の補習をしたり と学習面のサポートの他、地域住民が集まるコミュニケーションの中心地にもなって いるそうです。人と人を繁く場所、新しい知識や情報を求めて気軽に集まれる場所、 人が集まることでまた新たな知が生まれる場所、そんな「場所」を私たちもつくりた い!そんな想いが芽生え、会議への参加を経て、私たちのテーマは、「つながる」 という言葉へ収束しました。「地域とつながる」「仲間とつながる」「世界とつながる」 様々な「つながり」を求めて活動していこうと決めました。

 それからは、長野市の音楽祭へ参加させて頂いたり、長野の名物である「おやき」を 通して地域の方と交流し「地域とつながる」、奈良教育大学ユネスコクラブの皆さんが 長野に来てくだきったり、各地の青年部の活動など全国の活動に参加し「仲間とつながる」、 マレーシアの大学生と交流をし「世界とつながる」といった活動を行ってきました。

 そして実は、「つなっぷる」と名乗り始めたのはつい最近の 2015年3月29日からなのです。 発足時は「つなっぶる」ではなく、「信州大学ユネスコ部」として活動していました。 「つなっぶる」は Team Shinshu Unesco N(&)APPLE の頭文字とAPPLEをつないだも のでありながら、「つながる+アップル」でもあります。信州大学にとどまらず、りんごの 名産地である長野の青年として、地域と、全国と、世界とつながりたい!そんな想いが込め られています。

 今年は、戦後70年を受けて、長崎にスタディツアーを組み、実際に戦争体験を お聞きしたり、現地の若者と交流をしたりすることを適して、平和について考え、 何か世界に発信できる行動を起こしたいと考えています。また、誰もが気軽に自 分の夢や希望、興味のあることを語り合え、人と人がつながり新たな発見を産み 出せる場所、空間づくりを目指す「ユネスコ夢サミット」という企画を定期的に 行っていく予定です。

 まだまだ未熟で、今後どうなっていくかわからないところも多々ありますが、 今まで紡いできた「つながり」を大切に今後できるであろう「つながり」を求め そして願うことなら様々な「つながり」と「つながり」の架け橋となれるような 存在を目指して、今後も精一杯頑張ります!!

慶應大学ユネスコクラブ


 こんにちは、慶應のユネスコクラブです。私たちは、ユネスコ憲 章にもある「平和」を主軸として相互哩解を求め、学生の目線で世 界を知ることを目的に活動しています。主な活動はスタディツアー 勉強会、東北支援の3つがあります。
 まずスタディツアーについてです。昨年は夏に沖縄へ行き、春に はタイへ行きました。沖縄では平和記念公園の語り部さんや、現地 の学生社長さんの会社と、NPOのOPACさんと共同でワークショップを 行うなど、「平和」について交流しなから考えました。タイでは、 現地のNGOのマレットファンさんと交流し、タイの教育事情や、日常の ことまでディスカッションしながら学びました。また、タイは海外と いうこともあり、毎日が異文化交流であり、良い経験になりました。
 次に勉強会です。これは、毎週火曜日の活動において、まず自分 たちの興味のあるテーマを出し合い、グループにわかれ、プレゼン テーションをするというものです。グループにより、ディスカッショ ン方式や、クイズ方式など、自由に発表します。昨年度のテーマの 例としては、「宗教問題」や「世界遺産」、「食糧問題」などがあ りました。またこの勉強会でスタディツアー先の予習もします。そ の国の土地のことから民族問題まで、あらかじめ学んでから現地へ 行きます。最後は東北支援についてです。
 東北支援は毎年「継続」して行っています。昨年は、文化祭で、 ユネスコクラブとして出店をし、東北の食材を使ったパウンドケー キや、スタディツアー先の沖縄の名産であるちんすこうを手作りで 販売しました。この東北の食材は昨年の秋に東北へ赴き購入しまし た。
 今年度は、前年度の活動に加え、他地域や他大学のユネスコと交流 していきたいと考えています。どのユネスコにもそれぞれの色や特 徴があるので、ユネスコクラブ同士の交流もまた有意義なものにな ると思います。今年度もユネスコクラブの活動理念を軸に様々な形で 「平和」について触れ、学んでいきたいと考えています。

全国高校ユネスコ研究大会


 日本ユネスコ協会連盟と全国高等学校ユネスコ活動指導者 協議会の主催で、1952年から2006年に開催された高校生、教員 等が対象の事業。
 開催地は毎年異なり、開催県の教員と日本ユネスコ協会連 盟を中心に運営。地域の特色に応じたテーマを掲げ「ユネス コの掲げる理念や、国際協力、異文化理解等について学習し 理解を深める」ことを目的に、およそ200人が一堂に集ま り、基調講演と活動発表のほか、ディベート、フィールド ワーク、大会の集約としてアピール文(行動宣言)の作成等 を行っていた。
 最後となった2006年開催の第52回沖縄大会では、沖 縄大学学長の基調講演、沖縄県平和祈念資料館見学等をした 後、学校の授業やクラブ活動等で取り組んでいることを報 告・発表した。その後、沖縄戦の実相・基地の現状等の「世 界平和」、日ごろの体験・交流活動等の「国際理解・国際協 力」、自然保護等の「地球環境」、琉球王国のグスクおよび 関連遺産群等の「世界遺産」、移民の歴史や貿易ゲーム等の 「多文化共生」、共生できる社会を模索する等の「福祉」の 分科会に分かれ討議を行い、最終日には学習報告を行った。
 第42、43回大会に高校生として参加した小暮久美子氏 (現在・渋谷ユネスコ協会所属)は「ユネスコについて、多 くの事を学び考えることのできた事業である」と話す。


ユネスコ・ユースセミナー


 日本ユネスコ協会連盟主催で、1995年に始まり2011年を最後に 休止となっている青年事業。
 青年自らが実行委員会を組織し、毎回、テーマ設定を含め た活動内容の企画立案・準備・当日の運営等を日本ユネスコ 協会連盟と共に行っていた。本事業は、「次世代の民間ユネ スコ運動の担い手となる青年リーダーを養成すること等を目 的として、地域のユネスコ活動に取り組む意欲のある青年 (16歳から35歳程度まで)がユネスコの理念・目的等につ いて議論、検討する研修会」として開催された。例えば、2 007年に愛知県名古屋市で開催されたユースセミナーでは、 「『私は何を目指してユネスコ運動をしているのか?』とい う問いかけに一人ひとりが答えを見出すこと」を目的に、2 泊3日の日程で開催され、全国18カ所、73人の青年が集っ た。この時は、ユネスコの目的である「平和」についてディ スカッション等をし、最終日にはグループごとに「平和宣言 文」を発表した。
 休止となっている同事業は、今も青年から再開を求める声 がある。

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